■黄耆を主薬にした「衛益顆粒」の免疫機能調節と粘膜保護の効果がくっきり
黄耆は、たいへん使いやすい生薬でありながら優秀な効能を持っているために、応用例も多く研究事例も生薬の中では群を抜いて豊富です。その中で、前頁で紹介した「玉屏風散」を製剤化した「衛益顆粒」(日本に医薬品として正式に輸入されている)についての動物実験の報告をご紹介しましょう。漢方薬の持つパワーが伝わってきます。報告:中国中医薬研究院広安門病院分子生物学研究室の呉志奎教授ほか。
1.冷風をあてて免疫力を低下させたマウス実験対象マウスは、冷風刺激の影響で免疫機能に関係する免疫器官(脾臓と胸腺)の重量が低下したが、実験3日前から衛益顆粒を与えていたマウス(以下「衛益服用マウス」)は、対象群に比べて低下しなかった。このことは、衛益顆粒には寒冷刺激から体を守る働きがあることを示している。
2.鼻炎ラットモデル実験黄色ブドウ球菌を鼻に注入して作った鼻炎ラットモデルを用いた実験。衛益顆粒を与えなかった群は、鼻粘膜と気管支粘膜の上皮が脱落し粘膜は充血して中世白血球とリンパ球の浸潤が見られるが、衛益服用ラットは、正常ラットとほとんど変わらなかった。(写真・右)
3.ウイルス感染のマウス実験インフルエンザウイルスをマウスの鼻から注入。衛益顆粒を与えなかった群の死亡率は71%、衛益服用マウスは36%で死亡率が約1/2であった。インフルエンザウイルスの増殖も抑制された。
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2鼻炎ラットモデル実験正常ラットの粘膜はしっかりしている(上)。鼻炎ラットモデルの粘膜は上皮が剥がれ落ちている(中)。衛益顆粒を与えた鼻炎ラットでは、荒れが少ない(下)。
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